高雄の観光名所・蓮池潭の近くにある廟、「慈徳宮」に寄った。
あまり大きくはない道路・店仔頂路から、さらに細い路に入ったすぐ左手にある。
↑ 煌びやかな八卦藻井。
正殿に鎮座しているのは媽祖さま。
↑ 媽祖の両脇には千里眼(青鬼)と順風耳(赤鬼)
千里眼は、媽姐の進む先やその回りを監視し、あらゆる災害から媽姐を守る役目を持つ。
順風耳は、あらゆる悪の兆候や悪巧みを聞き分け、いち早く媽姐に知らせる役目を持つ。
千里眼と順風耳の二鬼神は、昔、悪さばかりして人々を困らせていた妖術使いだったのを、媽祖が改心させ自分の守護を命じて取り立てたといわれている。
媽祖以外にも、妊娠や安産、子供の成長などの守護神「順天聖母」、土地の守り神「福德正神(土地公)」、医薬や農業の神様「神農大帝」、戦術と兵法を司る「九天玄女」など、多くの神様が祀られている「慈徳宮」。
↑ 一方、「慈徳宮」から徒歩4~5分のところにある「鳳邑旧城城隍廟」の主祀は土地の守護神「城隍神」。
城隍廟としては台南の「台湾府城隍廟」に続き、台湾で2番目に古い歴史を持っているよう。
ところで、同じ土地の神様でも先ほどの慈徳宮では「福德正神」、鳳邑旧城城隍廟では「城隍神」。
不思議に思い調べてみると、どうやら階級があるよう。
(左営鳳邑旧城城隍廟公式サイトより)
「城隍」は、古代中国のお城の堀や城壁に対する自然崇拝から始まったよう。
明朝(1368~1644年)になると中央から地方政府まで城隍廟を建立し、都の「都城隍」を最も高い地位として、その下には、府の「府城隍」、州の「州城隍」、県の「県城隍」と続き、集落や村の「福德正神(別名土地公)」となったよう。
(諸説あり)
さらに狭い範囲の守護神「境主公」や墓所を治める女神「后土神」もいるようだが、神様にも昇進や左遷があるとされ、功績や失敗でより高い地位の土地神とされたり、低い地位の神にされたりすると考えられていたんだそう。
人間同様に、道教では神様の世界も大変なようですね。
(鳳邑旧城城隍廟の「金炉」)
また、城隍神は冥界神として、死んだ人の生前の行いを審判をするとも言われているんだそう。
縁結びの神様・月下老人で、たぶん世界的に有名な?台北市迪化街の「台北霞海城隍廟」だが、主祀されているのは城隍神ですね。
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媽祖廟「慈徳宮」
「鳳邑旧城城隍廟」